日本語は「語句」(名詞)、英語は「節」(S+V)で説明するように表現すると言われるのを聞いたことがありますか。通訳学校で教わり、練習しながらしばらく考えていました。アメリカで生活して、周りの人の話す言葉を観察してみると、まさに「節」で話しているのです。もちろん、ルールではありませんから、数語で説明が足りるときには、英語でも「句」で表現します。

例えば、理由を述べる場合、
「昨日熱で学校を休んだ」というとき、
I didn’t go to school because I had a fever.
I didn’t go to school because of my fever.

多くのネイティブスピーカーは最初の表現を使うでしょう。日本語は「熱で」という簡単に言えてしまうことが、英語だと「私は熱があったから」というように、若干、説明的な感じがしますね。おまけに、多くの日本人が苦手とする前置詞。前置詞には複数の意味があります。「熱で」という場合、”for my fever…?” “from my fever…?”など、句で表すと、前置詞の選択で迷うこともあるでしょう。これが、節だと簡単に言えます。
節でばかり表現すると、くどいかなと思うかもしれません。しかし、はじめはそれくらい説明して大丈夫です。慣れれば、いろんな「句」を使った表現ができるようになります。会話で、ちょっと伝わっていない瞬間を感じた場合は、「節」を積極的に使いながら「説明する」という意識をもって話してみましょう。そうすれば、より相手に伝わりやすくなります。
これは、実際のレッスンでの一例ですが、
「家を買うと、一生そこにピン止めされてしまう」という表現、あなたならどのように言いますか。レッスンでは、「ピン止めという単語が…」と、どの単語を使えばいいかと迷われていたようです。日本語に当てはまる英単語を探すのではなく、その表現自体がどのような意味かを説明することを考えてみましょう。もちろん、様々な表現で言い表せますが、
If you buy a place, you will have to stay there for the rest of your life.

などと表現することができます。